USB2.0の上位互換とされるUSB3.0は、出始めのころの不安定さもほぼ解消され、すっかり主流になりました。同時にUSB対応機器も増え、毎年のように新型のハブが発売されています。
そんな中でも、2016年発売のエレコム U3H-S418BBK 4ポートUSB3.0ハブは、いまだ様々なお店で取り扱われています。
エレコム U3H-S418BBK 4ポートUSB3.0ハブの基本情報
U3H-S418BBKの簡単なスペック
- インターフェース
- USB3.0(USB2.0インターフェース接続時は、USB2.0互換で動作、USB1.1インターフェース接続時はUSB1.1互換で動作)
- コネクタ
- USB-A(オス)-USB-A(メス)×4
- USBケーブル長
- 約30.0cm(コネクタ除く)
- 電源方式
- バスパワー
- 対応機種
- Windows10、Windows 8.1、Windows 7、Windows Vista、Windows XP、Macintosh OS X 10.11
- 保証期間
- 6カ月
USB3.1ではなくUSB3.0
価格コムのスペック情報だとインターフェースが『USB3.1 Gen1(USB3.0):4』となっていますが、公式サイトではUSB3.0とされており、後者を優先しました。
ギャラリー
最初に買ったときは普通に満足していた
タイトルで『いろいろ惜しい』と書いていますが、実は買った当初は満足していました。気に入っていた点もいくつかあります。
- スイッチ付きなので接続機器のオンオフが簡単
- さし込み口が斜め設計でコネクタの抜き差しがしやすい
- 背面のマグネットが適度に強力。壁にだってつく
- 見た目がシンプルで変に主張しない
ですが、のちの2018年に発売された見た目が似ているUSB2.0ハブU2H-TZS428BBKも同様の特長があり、かつそれを上回る機能性を有していたので、とばっちりで今回のU3H-S418BBKを『惜しい』と感じるようになってしまいました。
USB2.0ハブ『U2H-TZS428BBK』との比較と、USB3.0ハブ『U3H-S418BBK』が持たない機能について
まず最初に、データ通信の速度については今回のUSB3.0ハブ『U3H-S418BBK』が圧倒的に上回ります。これはUSB3.0がUSB2.0の上位互換なのであたりまえです。そのため、それ以外の機能性、つまりは『使いやすさ』について比較していきます。
なお、これ以降は読みやすさを優先し、レビュー対象のUSB3.0ハブ『U3H-S418BBK』を『U3Hハブ』、比較対象のUSB2.0ハブ『U2H-TZS428BBK』を『U2Hハブ』と表記します。
ハブ本体のケーブル位置を変更できないのが惜しい
U3HハブのUSBケーブルは本体の左側から伸びており、その位置を変更することができません。一方U2Hハブは裏面に工夫があり、左・後ろ・右からコード位置を選ぶことができます。
USB3.0ケーブルはある程度太さがないと通信が安定しない(と経験から感じる)ため、細くても使えるUSB2.0ケーブルより取り回しが難しいです。なので仕方がないとはわかっているのですが・・・やはりU2Bハブの便利さを知っていると、少し不便に感じてしまいます。
コードの長さが中途半端なのが惜しい
U3Hハブのケーブル長は30cmです。デスクトップパソコンの裏面につなげるには短すぎますし、ノートパソコンに使うと少し長くて置く場所に困ります。私の場合はデスクトップパソコンにつないで卓上で使いたかったので、別途延長コードを準備する必要がありました。
一方U2Hハブのケーブル長は100cmです。延長コードなしでデスクトップ裏から卓上に伸ばしてジャストサイズです。
これは個人的な好みでもありますが、いまいち長さの意図がわからないU3Hハブよりは、局所的でもベストな使い方があるU2Hハブのほうが有用に思えます。
側面がピアノブラック(反射して映り込みがある黒)
これも好みの問題です。U3HハブとU2Hハブの見た目はそっくりではありますが、横から見ると表面の加工が異なります。
U3Hはピアノブラックといわれる、反射して鏡のような映り込みがある黒です。一方U2Hは全面がマット加工されており反射することはありません。
ピアノブラックは見た目はきれいなのですがどうしても埃や指紋・傷が目立ちます。私の場合は最低限落ち着きのあるデザインであればそれでいいので、手入れが必要になるピアノブラックには魅力を感じませんでした。
USB端子がまっすぐで固定
USB端子の形状も異なります。U3Hが一般的なUSB端子なのに対し、U2Hは端子の先端が180回転するので自由度が高いです。
ただ、これに関してはU3Hの一般的な端子の方が耐久性が高いであろうと推測できるので、どちらが良いとも悪いとも言えません。
セルフパワータイプがないのが惜しい
U3Hハブはバスパワー(ACアダプタなしで消費電力が少ない機器に向いている)専用です。一方、U2Hハブにはバリエーション違いでセルフパワー(ACアダプターが付属し、消費電力の大きなUSB機器が使える)兼用タイプのものが発売されています。
USB3.0タイプでスイッチ付きのハブが必要になるケースを考えてみてください。例えば、外付けHDDを複数所持していて、それぞれをスイッチを切り替えながら利用する、というケースが思いつくのではないでしょうか。
自分で電源を確保する据え置き型の外付けHDDなら問題はありませんが、USBから電力もとるポータブル(持ち運び)タイプのHDDの場合、パスパワー専用であるこのU3Hハブは使えない可能性があります。Amazonのレビューでもそのような問題にぶつかった方がいました。
また、同じくバスパワーの光学ドライブ(ブルーレイなどの外付けドライブ)をつけっぱなしにしておいて、使う時だけスイッチをオンにする、という使い方も厳しいかもしれません。
USB3.0接続の機器は電力を多く使うものが少なくないので、もしU3Hハブにセルフパワータイプがあれば、かなり使い道が広がったのに、と思います。
実際の使用例:USBスティックタイプのSDカードリーダーを差しっぱなしにして、スイッチでオンオフを切り替えて利用していた
デスクトップパソコンにSDカードの差し込み口がなく、外付けのSDカードリーダーを利用していたのですが、いちいちデスク下のパソコンにそれを差すのがめんどうだったので、このU3Hハブを卓上に設置していました。
1mの延長コードをはさんでも通信は順調で、問題なく利用できていましたが、やはりU2Hハブの便利さを知ってしまってから改めてU3Hハブを使うと、どうしても細かい不満が出てきます。
特に、机の裏側へコードを通しているのに、コードが左側から出ているのが気になってしまいました。このコードが少し固く、できるだけ向かって奥に曲がるようにしてもだんだん左に戻っていってしまうのです。自分でも神経質だとは思うのですが・・・
その後、SDカードリーダー程度ならスイッチのオンオフはさほど必要ないと気づいたのと、USB3.0ポートとSDカードリーダーを兼ねる日本メーカーのコンボハブを見つけたこともあり、U3Hハブは使わなくなってしまいました。
物自体は気に入っているので、いずれ使うときのために取っておいてありますがいつになるかはわかりません。
終わりに
いろいろと書いてきましたが、言いたいことは一つだったりします。
USB2.0ハブ U2H-TZS428BBKと同じ機能性のUSB3.0ハブが出ればいいのに!
U2Hハブのほうが後発なので、より洗練されるのは仕方がない話ではあります。そのうえで、いずれU2Hハブと同等の、もしくは上回るUSB3.0ハブ U3H-S418BBKの後継品が出ればいいな-と夢を見ることにします。多分エレコムさんならいつかやると思う。