USB3.0のハブも、USB3.0対応のカードリーダーも、数えきれないくらいに多くの機種が発売されています。しかし、そのどちらも対応しているとなると、途端に数が減ってしまいます。
さらにそこから、日本のメーカーに候補を絞ると、なぜだか本当に選択肢がありません。だから、USB3.0のハブにスティックタイプのカードリーダーを差して凌いで、一年以上ずっと待ち続けていました。
そして2019年5月、ようやく発売されたのがナカバヤシ Digio2 USB3.0 コンボハブ COM-3SD013BKでした。
Digio2 USB3.0 コンボハブ COM-3SD013BK の基本情報
Digio2 USB3.0 コンボハブ COM-3SD013BK の簡単なスペック
- USB規格
- Ver3.0/2.0
- コネクタ
- USB-A(オス)-USB-A(メス)×2、USB-C(メス)×1
- カードリーダ
- UHS-I対応 SDカードリーダー×1、マイクロSDカードリーダー×1(1カード認識=同時差し不可)
- USBケーブル長
- 約12cm
- 電源方式
- バスパワー
- 対応機種
- Windows10/8.1/8/7、MacOSX(10.8以降)
- 保証期間
- 6カ月
ギャラリー
Digio2 USB3.0 コンボハブ COM-3SD013BKの気に入っているところ
USBポートとカードリーダーの構成が完全に希望通りだった
欲しいと思っていたUSBハブのスペックは以下の通り。
- 日本の知っているメーカーであること
- USB3.0 type-Aポートが2個以上
- SDカードリーダーとマイクロSDカードリーダーが独立しており、マイクロSDの読み込みにSDカードアダプタを必要としない
- SD以外のカードリーダーは不要
- カードリーダーがある程度早い(UHS-l以上)とうれしい
- できればUSB3.0 type-Cポートがあるともっとうれしい
びっくりするくらいに希望通りでした。これくらいならほかにもあるのではないか、と思うかもしれませんが、実はすべてクリアしているのは2019年10月時点で(おそらく)Digio2 USB3.0 コンボハブだけです。
そのうえで何の問題もなく利用できています。もうこれだけで大満足です。
ちなみに以下も候補でしたが、細かい点が該当しませんでした。
Amazonでやたら売っている中国製のハブ
構成はOKでもメーカーでアウト
エレコム USB3.0ハブ付きメモリリーダライタ MR3-H009BK(2015年発売)
カードリーダーの種類が多すぎる
サンワサプライ コンボハブ USB-3HC315シリーズ(2017年発売)
USB3.0ポートが1、USB2.0ポートが2、カードリーダーがマイクロSDのみ
サンワサプライ コンボハブ USB-3HC316シリーズ(2018年発売)
USB3.0ポートが1、USB2.0ポートが2、カードリーダーの速度がUSB2.0
Digio2 USB3.0 コンボハブ COM-3SD013BKのちょっとした欠点
『安全な取り外し』処理に癖がある
USBメモリスティックなどを取り外す際に、タスクバーの『USBメモリの安全な取り外しアイコン』で取り外し処理をする必要があります。
Digio2 USB3.0 コンボハブでも同様の処理を行いますが、USBポートにつなげた機器を取り外す場合と、SDカードリーダーに差したSDカードを取り外す場合で、少し動作が異なります。
コンボハブのUSBポートにつなげた機器を『(USB機器)の取り外し』で取り外した場合
該当するUSB機器の取り外し処理が行われた後、同じポートにもう一度USB機器を差すと、再度USB機器を読み込むことができます。これは一般的な動作です。
コンボハブのSDカード差し込み口に差したSDカードを『USB3.0 Card Readerの取り外し』で取り外した場合
『SDカードリーダー』自体が取り外された状態になるため、SDカードを差しなおしてもSDカードの情報を読み込むことができません。再度SDカードを読み込むためには、コンボハブ自体を物理的に抜き差しする必要があります。
どうやら内部では『SDカードリーダー』のみが取り外された状態になっているようで、『USB3.0 Card Readerの取り外し』をしてからでもUSBハブは利用することができるので、少し混乱してしまいます。
エクスプローラーの右クリックメニューから該当するSDカードの『取り外し』を行った場合
コンボハブに差し込んだSDカードはエクスプローラーでは『USB ドライブ』として扱われます。これを右クリックし『取り外し』処理を行うと、『SDカードのみ』が取り外され、カードリーダー自体は接続されたままになります。
そのため、こちらの処理では物理的なコンボハブの抜き差しは必要ありません。
このように、少々取り外し処理に癖があります。取扱説明書にもきちんと書かれているので仕様のようです。主にタスクバーから取り外し処理を行う人は、慣れるまでは煩わしく感じるかもしれません(実際に最初は戸惑いました)。
実売価格は少し高め
まだ出始めなのであまり値段は下がっておらず、実売で3000円以上はします。それだけあればUSBハブとカードリーダーをそれぞれ買うことができます(発売してからしばらく様子見していた理由でもあります)。
ただ、前述した2015年発売のエレコムのコンボハブが同じくらいの値段であることを考えると、今の値段が妥当なのかもしれません。
私の場合はYahooショッピングの日替わりクーポンで30%オフの2200円で購入することができたのでかなり幸運でした。急ぎでなければ狙ってみるのもありかも?
実際の使用例:デスク下のデスクトップパソコンから卓上へ
以前に紹介したエレコムのUSB2.0スイッチ付きハブ U2H-TZS428BBKと同じく、デスク下のデスクトップパソコンから繋げて、卓上にこのコンボハブを置いています。『短いコードだから用途に合わない』のを承知で購入し、延長コードを介して利用し始めたら、『安全な取り外し』で間違えたときの物理的な抜き差しが手元で出来る形になり、むしろ好都合になってしまいました。
デジタルカメラの無線通信によるデータ処理がどうも苦手で、SDカードを使う機会が多いので、差してすぐにデータが読み込めるのは本当に便利です。スティックタイプのカードリーダーを使った際の動作数が『カードリーダーを準備する』『カードリーダーにSDカードを差す』『カードリーダーをUSBハブに差す』の3ステップなのに対し、コンボハブの場合は『卓上のカードリーダーにSDカードを差す』だけで終わりなので、こまめにデジタルカメラのデータを移動するようになりました。
USBポートを使う機会は少ないため3つあれば十分ですし、その上type-Aとtype-Cのどちらも対応しているとなれば、データのやり取りで困ることはありません。
その2つが1つの機器でできる、と、望んでいたことが完全に叶えられています。このコンボハブを発売してくれたナカバヤシさんには本当に感謝しています。
いざ気に入っていることを書いてみると、構成が希望通りで無駄な機能も問題もなく使えている、という単純な理由しかありませんでした。ですが、それこそが望んでいたことです。購入して1か月程度しか経っていないので、あとは耐久性があれば言うことなしです。