失敗談:Digio2の小型トラックボールにチャタリングが発生→分解して修理しようとしたけど駄目だった

失敗談:Digio2の小型トラックボールにチャタリングが発生→分解して修理しようとしたけど駄目だったのサムネイル

ナカバヤシ Digio2 トラックボール MUS-TRLF132 は、手が小さくても使える小型のトラックボールです。静音クリック、戻る進むボタンなど、地味に便利な機能もあり、わりと気に入っていたのですが、1年と半年程度で故障してしまいました。

Digio2 トラックボール MUS-TRLF132について

トラックボール自体については以前レビューしているので、よければ参考にしてください。

故障したのはマウスホイールの回転部分

故障内容は『マウスホイールを回転させると意図した動作にならない』というものです。ウェブページなどを見ている際、画面を下にスクロールさせるためにホイールを下回転すると、カクカクと画面が上下に動いてしまう、などといった具合でした。いわゆるチャタリングです。

チャタリングとは

チャタリングとは、可動接点などが接触状態になる際に、微細な非常に速い機械的振動を起こす現象のことです。トラックボールやマウスにおけるチャタリングは、1回のクリックが多重クリックになったり、マウスホイールの回転が過度に反映される、などといった問題を指します。

一般的なチャタリングの解決方法

マウスやトラックボールのチャタリングは珍しい問題ではありません。さらっと調べただけでいくつかの修理記録を見つけることができます。

チャタリングの解決法の例

  1. 電池を外して故障箇所のスイッチを押しまくる
  2. 分解して内部を清掃する(埃取りなど)
  3. スイッチ部分に接点復活剤(コンタクトスプレー)を浸透させる
  4. 内部部品のスイッチ自体を交換する
  5. チャタリング解消ソフトを使用する

チャタリング解消ソフトについて

チャタリング解消ソフトは『マウスチャタリングキャンセラ』という常駐型のソフトウェアです。当ケースでは常駐ソフトを増やしたくなかったので導入しませんでした。

分解清掃し、接点復活剤をスプレーしても解消せず

タイトルの通り、今回のケースではチャタリングは解消されず、MUS-TRLF132を修理することはできませんでした。対処直後にはマシになり、またすぐに不具合が発生、ということを繰り返し、今では諦めて新しいトラックボールを購入済です。

失敗談になりますが、参考になる方もいるかと思い、行なった作業を記録しておきます。

MUS-TRLF132の分解

分解にはプラスドライバーとY字ドライバーが必要です。Y字ドライバーは『アネックス(ANEX) Y型 特殊精密差替ドライバー No.3607』を使用しました。

アネックス(ANEX) Y型 特殊精密差替ドライバー No.3607

ネックス(ANEX) Y型 特殊精密差替ドライバー No.3607

先にボールを外してから、MUS-TRLF132の裏にある滑り止めシールを全て剥がします。

滑り止めシールを剥がす前と後。赤い丸にあるネジを外す

滑り止めシールを剥がす前と後。赤い丸にあるネジを外す

シールの内側にあるY字ネジもすべて外します。なお(ロジクールのトラックボールM570のように)電池入れのシール内側のネジはありません。

Y字ネジの一部

Y字ネジの一部

Y字ネジを全て外せていれば、本体を上下に開くことができます。しかし、この時点では、本体上のマウスホイール部分と、本体下がケーブルでつながっているため、完全に分けることはできません

カバーを外したトラックボール

カバーを外したトラックボール。まだケーブルで上下がつながっている。

本体上を完全に外したい場合は、本体上カバーの裏側から、マウスホイール部分にある小さな基板を、プラスドライバーで外してから行います。

上下パーツに分かれたトラックボール

上下パーツに分かれたトラックボール

MUS-TRLF132の内部清掃

本体を分解したら、ホコリやペットの毛などの様々な汚れが内部にたまっていました。

内部の状態。ホコリで汚いのでモノクロで表示

内部の状態。ホコリで汚いのでモノクロで表示

問題の発生しているマウスホイール部分は特に汚れが目立ちます。

マウスホイールのアップ

マウスホイールのアップ

これらをエアダスターなどで吹き飛ばして除去しました。特に気になる箇所は無水エタノールで拭き取り掃除も行いました。

MUS-TRLF132のスイッチに接点復活剤を塗布する

内部清掃が終わったら、(他にスプレーがかからないようにしつつ)KURE 接点復活スプレーをスイッチ部分に塗布しました。

使用した接点復活スプレー

使用した接点復活スプレー

ですが、当ケースの問題はクリックではなくホイールの回転だったため、この処理にはあまり意味はなかったと思われます。

完了後、組み立てて動作を確認

すべての処理が完了したら、分解と逆の手順で組み立てて、動作を確認します。今回は失敗しましたが、うまくいけばチャタリングが解消するはずです。


どうせ保証切れだしうまくいったら儲けもの、くらいに考えていましたが、いざ直らないと悔しいものです。壊れたままでタンスにしまってあるので、捨てる前にもう一度位はチャレンジしたいと思っています。