マウスで手首が疲れてしまうならトラックボールを、という提案はたまに見ます。最初に試すならの定番品の一つにロジクールのM570がありますが、存在感のある大きさで手の小さい人には向かない、という口コミがいくつかあり断念していました。
そこで見つけたのが、小形で値段も高すぎないナカバヤシ Digio2 小型無線静音5ボタントラックボール MUS-TRLF132 でした。
映り込みがあったため、当ページに掲載されている写真には、いくつかのモザイク・ぼかし処理がされています。ご了承ください。
Digio2 MUS-TRLF132 の基本情報
- 商品名
- 小型無線静音5ボタントラックボール MUS-TRLF132
- 無線
- 2.4GHzレシーバー
- 本体寸法/重量
- W88×D95×H47mm/約105g(レシーバー、電池は含まず)
- 対応OS
- Windows10/8.1/8/7、MacOSX(10.2以降)
- 使用電源
- 単4乾電池2本
- 電池寿命
- 連続動作時間約285時間
- 電池交換の目安
- 約655日
- ボタン
- 5ボタン(4ボタン+ホイールボタン)
- コネクタ形状
- USB(A)コネクタ
Digio2 MUS-TRLF132 ギャラリー
Digio2 MUS-TRLF132 の気に入っているところ
手が小さくても違和感なく使える
購入した第一の理由は『手が小さくても使えそう』だったのですが、幸い予想通りの結果となりました。
写真のロジクールM235(つまみ持ち)から移行し、初めて使ったときでもほぼ違和感はありませんでした。むしろDigio2 MUS-TRLF132のほうがしっくり来たくらいです。
参考までに、手のひらのサイズは人差し指から手首まで16cm程度で、普通に手をかぶせると手首がデスクにつきます。おそらくこれ以上大きいサイズだと手のひらがデスクから浮いてしまっていたと思います。
マウスから移行して1年経ちましたが、劇的に手首の痛みが減ったので、やはりちょうどサイズが合っていたのだと思っています。
小さいから机の上で場所を取らない
コロンとした小形のトラックボールなので、小さい隙間にも置くことができ、邪魔になることはまずありません。参考までに有名なトラックボールとのサイズ比較表を載せておきます。
トラックボール | 幅(W) mm | 奥行き(D) mm | 高さ(H) mm |
---|---|---|---|
Digio2 MUS-TRLF132(本品) | 88 | 95 | 47 |
ロジクール M570T | 95 | 145 | 45 |
ロジクール MX ERGO | 99.8 | 132.5 | 51.4 |
エレコム M-XT3DRBK | 94.7 | 124.4 | 47.9 |
クリック音が小さく目立ちにくい
『すべてのボタンが静音(ホイールを含む)』とパッケージに書かれている通りで、利用できる5ボタンすべてのクリック音が小さいです。いかにもクリック音といった高い『カチッ』という音ではなく、木の机を爪で叩いたような『トッ』という音が小さめに鳴ります。
その分、クリックが少し浮いたような感覚なので最初は戸惑いますが、慣れるとむしろ快適になります。
左クリック横の戻る・進むボタンが便利
左クリックの横にウェブブラウザの『進む』『戻る』と連動するボタンがついています。これは一般的なGoogleChromeだけでなく、Mozilla FirefoxやMicrosoft Edge、Vivaldiなどの(おそらく)ほとんどのブラウザに対応しています。
実はこのトラックボールを使うまでは『マウスジェスチャがあるしボタンなんて3つで充分』と思っていましたが、特に『戻る』ボタンがあまりに便利で、3ボタンには戻れなくなってしまいました。
手が小さいので、『戻る』ボタンの奥にある『進む』ボタンは少し指を伸ばさないと届きませんが、ごくたまにしか利用しないため不便には感じません。
『戻る』『進む』ボタンの機能変更はできないものの、それ以外での用途を思いつかないため問題とは感じませんでした。
オートスピードコントロール機能が地味に便利
オートスピードコントロール機能の説明は以下のとおりです。
おまかせ速度調整
ポインターの速度をトラックボールの動きに合わせて調整するおまかせ機能。固定モードへの切替もSPEEDボタンを押すだけ
Digio2 MUS-TRLF132 パッケージ
ホイールクリック下の小さいSPEEDボタンを押すと、Dpiが600pdiになる固定モードか、マウスカーソルの動きに合わせて450~1200dpiの間で変化するおまかせ(自動)モードに切り替えることができます。
正直、最初は価値がわからず、固定モードでばかり利用していました。使用感に慣れてから改めて自動モードにしたら、やっと便利だと実感できました。
当環境ではモニタを2台左右に並べています。このモニタ間を移動したいとき、自動モードなら思いっきりボールを弾けば右モニタの右端から左モニタの左端まで一瞬で移動できます。
また、画像のトリミング程度のちょっと細かい作業をするときは、ボールをゆっくり動かせばDpiも低くなり、(マウスには敵わないものの)ある程度は思い通りにカーソルを動かせました。
これらの調整をマウス側で勝手にやってくれるので人間は特に意識する必要がありません。結果、使用でのストレスは小さくなりました。
掃除と手入れがしやすい
トラックボールはボールと接地面に汚れがたまるため定期的に掃除する必要があります。
Digio2 MUS-TRLF132のボールは(通常ならマウス裏の穴にボールペンなどを入れて押し出すのだと思いますが)上からつまんでちょいと取り外せてしまいます。つまり、
動きが鈍い→本体を裏返す→ボールペンで押し出す→掃除と手入れ→戻す
ではなく、
動きが鈍い→ボールをつまむ→掃除と手入れ→戻す
と、簡単なステップで掃除と手入れを済ませることができます。
なお、普段はしっかりはまっているので、普通に使っていて不意に転がっていくということはありません。
カラーバリエーションが多い
撮影で利用したベーシックなブラックのほか、ブルー、ピンク、シルバー、ゴールド、レッド、ホワイトと、7種類ものカラーバリエーションがあります。
大体のトラックボールが硬派に一色しかないのに比べると、これはわりと革命的なのではないかと思っています。意外にも白いトラックボールというのはほとんど見ないので、それだけで選ぶ人もいるのではないでしょうか。
Digio2 MUS-TRLF132 の気になるところ
放置後の動き出しが1テンポ遅れることがある
席を離れる際、いつもキーボードのみをオフ、トラックボールはオンのままにしています。すると、本体がスリープモードに入るのか、復帰してワンテンポだけマウスカーソルの動きが遅れることがあります。
そのため置いた後の使い始めは、適当にボールを1.5往復ほど左右に動かし、反応を確かめるようにしています。
今ではもう慣れましたが、さすがに最初は煩わしく感じました。人によっては致命的な欠点かと思います。ただし同じようなことを書いているレビューは見つからなかったので、保持している個体特有のものかもしれません。
なんとなくではありますが、電池残量が減ると現象が発生しやすくなる気がします。
電池寿命が公式データよりも早い?
公式サイトによると電池交換の目安は約655日となっていますが、購入して1年程度で数回の電池交換が必要でした。使えはしたもののカーソルの反応が鈍くなってしまったためです。
前に使っていたロジクールのM235は丸1年使って電池交換なしだったので、比較するとやや電池の消耗が早いのかなと感じます。
電池の交換が少し煩わしい
電池ボックスは縦に2本単4電池を入れる作りで、電池を取り出すための白い帯がついています。無作為に白い帯を引っ張ってしまうと、電池が勢いよく飛び出してくるのでそのまま落としてしまうことがあります。
また、電池をいれるときも、この白い帯をうまく収めるのが少し手間です。
Digio2 MUS-TRLF132 についての補足
ミニサイズのリストレストとの併用がおすすめ
Digio2 MUS-TRLF132は手首がデスクについた、あるいは浮かせた状態で利用するケースが多いかと思います。
そのままでもひどく疲れるわけではありませんが、マウス専用の小形のリストレストと併用すると、途端に快適さが変わります。
おすすめはサンワサプライの低反発リストレストミニ TOK-MU2Nシリーズです。
トラックボールとほぼ同じ大きさで高さもちょうどよく、手首が上に曲がらない状態で固定することができます。
滑り剤に白色ワセリン
Digio2 TOK-MU2NBK だけでなく、トラックボール全体の話になりますが・・・。
トラックボールはボールの滑り(=回転のしやすさ)が重要です。より滑りやすくするため、いろいろなところで推奨されているシリコンスプレーを試しましたが、思ったほどの効果は得られませんでした。
そこで、白色ワセリンを塗り込んだ手でボールを転がしてみたところ、特に引っかかりもなく良好な状態になりました。ワセリンは安く、食べてしまっても安全で、顔にも塗ることさえできます。滑り剤としてはかなり優秀なのではないかと思います。
無線レシーバータイプの他にBluetoothタイプと有線タイプがある
Digio2 の小形トラックボールタイプには、今回の無線レシーバータイプの他に、Bluetoothタイプと有線タイプがあります。
Amazonレビューをさらっと見たところ、どうやらBluetoothタイプが人気のようでした。小形でUSBポートを専有しないトラックボールはこれしかなく、ノートパソコンなどとの持ち歩き用として購入している人がほとんどでした。
トラックボールといえばで真っ先に出てくるロジクールM570は使ったことがないため、比較できないのが残念です。ネット上のレビューを見ると、使用感にかなりの差がある、というものもあったので、試してみたいとは思うものの、現状で満足できているので可能性は低いでしょう。
もし追加情報を出すなら、使っている Digio2 MUS-TRLF132 の純正ボールを、例えばペリックス PERIPRO-303 に交換する、といった内容くらいでしょうか。いずれ試してみたいとは思っています。
2020年9月追記:1年と半年後に壊れました。